春から初夏にかけて犬は冬毛から夏毛に変わる換毛期を迎えます。この時期、たくさん毛が抜ける犬とそうでもない犬が…？その違いは何でしょうか？

犬の被毛は2層構造が基本

犬は季節に合わせて被毛の量などを変え、寒さ暑さに対応しています。これは犬の祖先であるオオカミから受け継がれたもの。夏は通気性の高い夏毛に、冬は保温性の高い冬毛となります。

犬の被毛は上毛（オーバーコート）、下毛（アンダーコート）の2層構造になっています。これが暑さ寒さに対応できる秘訣です。オーバーコートとアンダーコートは以下のような生え方をしています。

オーバーコートは太くしっかりとした被毛で肌を守る役割があります。アンダーコートはフワフワとやわらかく密集して生えるため、保温性・保湿性に優れています。

夏はアンダーコートの量を減らして通気性を高め、涼しく過ごせるように。オーバーコートは紫外線から肌を守ってくれます。

冬は密集して生えているアンダーコートにより、あたたく過ごせるようになるのです。

換毛期、大量の毛が抜けるのは？

以上のようなオーバーコートとアンダーコートを持つ犬をダブルコートといいます。日本固有の犬種や寒い地域原産の犬はほとんどがダブルコートです。

イラスト：ペットホームウェブ「犬種図鑑」より。

以上のようなダブルコートの犬は、春と秋に換毛期があります。とくに冬毛から夏毛になる春は、アンダーコートがたくさん抜けます。犬が涼しく過ごせるよう、ブラッシング、トリミング、シャンプーで抜け毛をきれいに取り除いてあげましょう。

換毛期でもあまり毛が抜けないのは？

一方で、被毛がオーバーコートだけの犬もいます。これらをシングルコートといいます。
暑い地域原産の犬種に多く、ダブルコートより抜け毛は少なくなります。その代わり、寒さに弱いのが特徴です。以下のような犬種に代表されます。

シングルコートの犬には換毛期がありません。ダブルコートの犬のように換毛期に大量な毛が抜けることはありませんが、毛は1年を通して抜け替わります。

ダブルコートの犬、多頭の換毛期に

犬を飼っていると抜け毛対策が欠かせません。愛犬が快適に過ごせるように、日々のブラッシングとコンスタントなシャンプーを心がけましょう。お部屋に散らかる犬毛も確実に減るはずです。

といっても、大量に毛が抜けるダブルコートの犬や多頭飼いの場合、「取っても取っても出てくる犬の抜け毛」にうんざりしまう飼い主さんがいるかも。そんなときはこんなお助けアイテムを使ってみてはいかがですか？