椎間板ヘルニアに注意する犬種と飼い主ができる予防策
犬種は人が意図的に作ったもの
ジャパン・ケネル・クラブによると、現在、世界にはおよそ700~800の犬種がいます(非公認犬種を含む)。犬種は人が意図的に作り出してきたもの。その結果、純血種の犬にはさまざまな遺伝性疾患が表れるのも事実です。
今回はこれら遺伝性疾患の一つでもある、犬の椎間板ヘルニアについてペットホームウェブ犬図鑑と最新版犬の家庭の医学(幻冬舎)を参考にお伝えします。
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椎間板ヘルニアに注意したい犬種
まず、どんな犬種が遺伝的に椎間板ヘルニアになりやすいのか見てみましょう。
犬の椎間板ヘルニアというと、ミニチュア・ダックス・フンドやウェルシュ・コーギー・ペンブロークのような胴長犬種が真っ先に浮かびます。 ペットホームウェブ犬図鑑では以下7犬種を椎間板ヘルニアに注意すべき犬種としています。
また、最新版「犬の家庭の医学」では、ミニチュア・ダックス・フンド、カニーヘン・ダックスフンド、ペキニーズ、シー・ズー、パグ、ビーグル、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの8種を椎間板へルニア好発種としてあげています。
以上のように、胴長ではない犬種のトイ・プードルやフレンチ・ブルドッグ、パグやビーグルも遺伝的に椎間板ヘルニアにかかりやすい犬種に含まれます。遺伝的な要因のほか、運動や生活習慣、加齢によっても発症することも。犬の飼い主さんは、「どんな犬でも発症する」と頭に入れておきましょう。
犬の椎間板ヘルニアってどんな症状?原因は?
以上のような好発犬種には、「軟骨異栄養症」という軟骨がうまく骨へと成長できない遺伝的な要因があるそうです。
代表例としてミニチュア・ダックス・フンドは2~5歳で発症するケースが多く、飼い主さんはこの時期の犬の様子に注視しなければなりません。
このようなしぐさや様子から犬の椎間板ヘルニアを発見することができます。
- 抱き上げたときに短く強く鳴く
- 頭を下げた格好でいることが多い
- 段差を乗り越えられなくなる
- 散歩を嫌がる
以上に気づいたらすぐに動物病院へ。悪化させてしまうと自力で立てなくなり、排尿・排せつさえできなくなってしまいます。
犬の椎間板へルニアの治療と予防
犬の椎間板ヘルニアの治療は、鎮痛剤の投与と最低2週間、できれば4週間の安静が必要です。自力で立てないほど悪化した場合は手術になります。 MRI検査で病変部位を確認してから椎間板を手術しますが、部位によってはレーザーで蒸散させます。術後は水泳などでリハビリを行います。
では、犬の椎間板ヘルニアは予防できるのでしょうか?飼い主さんが日ごろから注意できることをあげてみました。
太らせない
腰への負担を大きくする肥満に気を付けましょう。
適切な運動
犬に適切な運動をさせましょう。過度な運動、コンクリートやアスファルトなど固い場所での運動はNGです。運動不足は筋骨の形成を妨げるのでよくありません。
冷やさない
特に冬場は注意。犬の服や腹巻などで冷え防止対策をしてください。
滑らせない
犬が滑らないように、フローリングにはカーペットやマットを敷きましょう。足裏の毛のカット、犬の靴下を履かせるなど、室内で犬が滑らない工夫をしてください。
以上は、遺伝的に注意しなければならない犬種はもちろんですが、犬の飼い主さんすべてにやっていただきたいこと。犬を飼っていて「滑らせない」対策をしていない飼い主さんは、真っ先にお願いします!
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