猫の避妊・去勢手術 ~メリットとデメリット~
殺処分という悲しい現実をなくすために
メス猫には年に数回発情期があり、交尾をすればかなり高い確率で妊娠してしまいます。
しかし子猫が産まれることは必ずしも良いことではありません。なぜなら「日本では年間99,671匹もの猫が殺処分されている」※という悲しい現実があるから。猫の繁殖を減らして殺処分をゼロにすることは重要な課題といえるでしょう。
※平成25年度の猫の殺処分数。環境省「平成16~令和3年度の犬・猫の引取り及び処分の状況」より。
※2023年5月加筆:令和3年度は11,718匹にまで減少しています。
猫の去勢・避妊手術のメリットとデメリット
避妊・去勢手術のメリットとして挙げられることはたくさんあります。
まずはオス・メスともに、生殖器系の病気へのリスクを軽減することが挙げられます。
次に、発情期の情緒不安定、食欲低下、下痢、嘔吐などの不調が減ります。これは発情期のホルモンバランスの変化によって起こっているから。そのため、スプレー行為、発情してうるさく鳴くなどの問題行動が少なくなります。性格が穏やかになるので猫が飼いやすくなると言われています。
反対にデメリットとして挙げられるのは、猫の活発性が減少して肥満になりやすい点。しかし、猫の肥満は飼い主さんの努力次第で予防できます。去勢・避妊手術は、総合的にメリットの多い手術であると言えるでしょう。
猫に去勢・避妊手術を受けさせる時期
去勢・避妊手術を受けさせる最適な時期は、生後5か月~1歳になるまでの間です。5か月以前では手術は耐えられない可能性があります。また、1歳以降ではスプレー行動※が手術後も残ってしまうこともあるようです。
※おもにオスが行うニオイ付け
今後起こり得る生殖器系の病気予防には、5か月~1歳で避妊・去勢手術するのがいいと言われています。
7歳以上の猫は体力的に手術のリスクが高くなります。しかし生殖器の病気になる可能性も上がるため、健康であれば手術を検討しましょう。
去勢・避妊手術をしても、ノラ猫との接触は厳禁です
注意点は、猫が避妊・去勢手術をしたあとも外へ出してはいけないことです。なぜならノラ猫の多くは、ケンカや繁殖行動により感染症や伝染病を持っているから。
飼い猫が去勢・避妊手術をした後も、「完全室内飼い」を守ってください。
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