動物病院を選ぶときの6つのポイント~夜間・救急対応にも備えよう~

2013.06.12
動物病院 選び方

ペットを飼い始めると、様々なタイミングでお世話になるのが動物病院です。首都圏では数も多く、複数の動物病院の中からどこを選べば良いのか迷うことがあるかもしれません。今回は動物病院を選ぶポイントについて考えてみましょう。

動物病院の広告から得られる情報をチェック

まず、動物病院の情報を得るものとして広告があります。しかし、動物病院の広告獣医療法という法律で明記できる内容が以下4つに限定されています。
1. 獣医師の氏名及び診療施設名
2. 専門科目名
3. 診療にあたる獣医師の学位または称号
4. 農林水産省で定めた事項
2で上げられている専門科目とは、大学の講座などに由来する、内科・外科・繁殖科・産科などと、診療を対象とする犬専門・猫専門・小動物専門・野生動物専門などのことを言います。3学位称号は、一般的に獣医学博士、農学博士、医学博士などの博士号のことです(人間の医療では学位を広告に掲載することは禁止されています)。4の農林水産省で定めた事項には基本として定められた4つの項目があります。ペットには深く関係のない内容なので、ここでは省略させていただきます。
その他、広告を許される技能療法表現にも制限があるため、「診察や診察時間」「駐車場の有無」「入院設備の有無」「急患随時受付」、抽象的な「健康相談受付」といったことしか広告に明記できないのです。
では、実際に動物病院を選ぶ際には、どんな条件を重視すれば良いのでしょうか?

動物病院の選び方、6つのポイントとは?

実際に行く病院を選ぶ際の観点として、獣医師や動物看護師の人柄や説明の分かりやすさも大切ですが、やはり第一は動物医療の水準です。この医療水準は獣医師が果たすべき注意義務の水準とも考えられ、動物病院の規模・地域性・専門性などの要因で判断されることになります。
具体的には、以下の項目を考慮することが大切です。

1. 専門性・・・犬猫が専門なのかウサギなどの小動物が専門なのか。また同じ犬猫専門での内科が専門なのか外科が専門なのかも重要な判断材料となります。
2. 地域性・・・医療情報の入手や地域環境により判断することになります。
3. 動物医療施設の規模や物的規模・・・大学病院と個人病院はやはり規模が違います。X線、手術室、入院設備の有無などを確認しましょう。素晴らしい最先端の設備があっても、使いこなせる獣医師がいないと無用の長物です。
4. 人的規模・・・獣医師一人だけで診療しているか、複数の獣医師で診療・診療チェックができるか。また、動物看護師などのスタッフの数も重要です。
5. 救急対応・・・動物の病気やケガは急に重篤な状態になることが多々あります。救急の対応をしているかどうかは大きな判断材料です。
6. 適切な説明対応能力・・・病状や治療方針の適切な説明と、飼い主さんの承諾をきちんと取った上で治療などを行っているかどうか…つまり、きちんとインフォームドコンセント行っている病院なら、飼い主さんが安心して大切なペットを預けられます。

自分のペットの種類や持病などを考慮しつつ、以上を参考に、ペットに合った動物病院を探すと良いでしょう。

 獣医師会ホームページに全国の動物病院情報が掲載

日本獣医師会のホームページに全国の動物病院の基本情報が掲載されています。ホームページがある動物病院にはリンクが貼ってあるので詳細を確認しましょう。
厚生労働省認可の日本動物病院協会(JAHA)では、犬猫を基本にした内科専門医・外科専門医・救急動物病院指定などを独自の高い基準で認定実施しているところもあります。参考にすると良いでしょう。
もし、地元の獣医師会が分からない場合は、市区町村の保険所のホームページでリンクしていることも多いので、そこから探してみてください。また、保健所に直接問い合わせても教えてくれます。
また、何より重要な情報源となるのがペット愛好家からの情報です。お散歩中の愛犬家や地域猫の保護活動をしているボランティアの方など、地域に関する多くの情報を持っています。お散歩中の何気ない挨拶や会話の中で尋ねるようにすると良いでしょう。

夜間・救急対応のための動物病院も探しておこう

かかりつけの動物病院が夜間救急に対応していない場合は、救急動物病院夜間専用動物病院を事前に調べておくと安心です。獣医師会の有志の獣医師で共同運営をしている夜間病院もあります。
また、最近は人間のように、かかりつけの動物病院の獣医師とは別に、他の獣医師に意見を聞くこと、“セカンド・オピニオン”が一般化しつつあります。いつもの動物病院の診断や治療に疑問がある場合は、別の病院でセカンド・オピニオンしてもらうと良いでしょう。

どんな獣医さんが理想的?

獣医師たちは、日々、先輩や仲間の獣医師仲間と情報・技術を交換し、最先端の動物医療を学びながら技術を向上しています。私がそんな獣医師たちに望むのは、病気やケガを負ったペットを診察した際、自分の技術・病院設備で最善の医療行為ができるかできないか、すぐに見極めることができるということです。
誠意ある獣医師ならば、他の動物病院や大学病院の獣医師と連携を取りながら、最も適切な対応を我々飼い主に提案してくれるはずです。自分の権威や利益ではなく、我々が愛するペットのことを第一に考えてくれる獣医師こそが、我々にとって最も望ましい獣医師であり動物病院ではないでしょうか?

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