犬の避妊・去勢 ~手術のメリットと適切な時期~

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犬の避妊・去勢は、人にも犬にもメリットが多い

犬の室内飼いが主流となる中で、飼い犬の子供を見たいという飼い主も増えつつあります。ところが、犬は1度の出産で平均4~6頭の子供を出産します。貰い手を探すことは容易ではありません。
また、犬が避妊・去勢手術をしていないと、後々病気の発症率が高くなります。家庭で飼育する犬には、できるだけ避妊・去勢手術を受けさせることをお勧めします。

病気予防の面だけでなく、オス犬の場合は執拗なマウンティングなどの問題行動改善につながり、メス犬の場合は生理出血がなくなるため生理に伴う情緒不安定がなくなります。犬の避妊・去勢手術は、人と犬のより友好的な関係を築くことにもつながります。

多くの病気予防になる犬の避妊・去勢手術

犬の避妊・去勢手術におけるメリットは、先に触れた問題行動の改善だけでなく、さまざまな病気の予防につながることです。

オス犬の場合は、前立腺疾患精巣疾患会陰ヘルニア肛門周囲腺腫の予防に効果的です。メス犬の場合は乳腺腫瘍卵巣子宮疾患ホルモンによる皮膚病などの予防に有効的です。

デメリットと言えば、手術後はホルモンのバランスの関係で肥満になりやすい傾向にあります。しかし、これは飼い主の努力でいくらでも予防することができますので、大きなデメリットとは言い難いかもしれません。

避妊・去勢手術を受けさせる時期は?

犬の避妊・去勢手術を受けさせる時期ですが、オス犬の場合は特に最適な時期はなく病気が発症する以前であれば問題ありません。

メス犬の場合は初回生理を迎える前が病気の発症リスクを最小限にとどめるためには最適です。犬の大きさ(小型犬・中型犬・大型犬)によって性成熟する時期が異なるため、初回生理の時期も変動します。一般的に大型犬よりも小型犬の方が性成熟は早い傾向にありますので、小型犬の場合は4か月~7か月の間に、大型犬の場合は4か月~1年の間を目安として手術を受けるとよいでしょう。

犬を満たされない欲求から解放してあげる

犬の避妊・去勢手術は飼い主さんの判断で、手術するかしないかを決めることになります。飼い犬の出産を望まない場合は、できるだけ早期に手術を受けさせてあげたほうがよいでしょう。

前項でも述べたとおり、肥満になりやすいといったデメリットは、食事内容の改善や散歩の時間を増やす工夫などでいくらでも予防することができます。

今後起こりうる可能性のある病気の発生率が軽減することや、性格的に落ち着きが出ること、そして子孫を残そうとする満たされない「性欲」から飼い犬を解放してあげることができるメリットは、デメリットを補って余りあるいえるでしょう。飼い主さんは今後の犬との暮らしを考えて、しっかりと検討してみてください。

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