歯石取りできない腎臓病の老猫にリペアン/リデンタを使ってみた
猫が高齢になり腎臓病にかかると全身麻酔をするスケーリングはできません。そんなとき使ってみたデンタルケア用品をご紹介します。
猫にも歯みがきは重要。でも、できるコはわずか
犬や猫の歯石や歯周病は「食べること」にかかわる重要な問題です。
歯石が歯に付き歯周病になると、まず、よだれ・口臭・鼻炎に悩まされます。やがて歯ぐきの炎症や痛みから食欲が低下。歯肉とその周辺は膿み、鼻の横の皮膚が破れます。こうなると犬や猫は食べるのが苦痛となり、だんだん弱って死を迎えることに…。
歯周病を防ぐためには、歯磨きで歯垢を取り、歯石ができないようするのが基本です。しかしこの歯磨き、犬はできるコが多いものの猫はできるコがほとんどいません。愛猫に試みてみたけれどものすごく抵抗されてあきらめた、という飼い主さんも多いことでしょう。当スタッフもその一人です。
高齢・腎臓病の猫は歯石取りができない
その代わり、猫にはこれまで何度かスケーリンングをしました。乳腺腫瘍の手術のときにやってもらったこともあります。
しかしこのスケーリング、高齢猫や腎臓病の猫にはできません。なぜなら、猫のスケーリングには全身麻酔が必要だから。高齢、腎臓病、心臓病などリスクの高い猫への全身麻酔は、麻酔が覚めずに亡くなる可能性があるのだとか。
スタッフの猫の腎臓病が悪化したのは17歳。ちょうどスケーリングをする予定でした。それから約2年。口臭は大丈夫ですが、ご覧のとおり歯石はかなり大きくなっています。
「リペアン」を使ってみた
腎臓病が悪化してからは投薬やサプリメントの投与に集中してしまい、歯磨きは二の次になっていました。その間に歯石はどんどん大きくなり、歯の根元は歯肉炎で赤くなっていました。そこで、こんなデンタルケア用品を使ってみました。
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リペアンは粉と液体を混ぜて歯石につけ、3~5分ほど放置してから爪やスケーラーに引っかけて取る、というデンタルクリーナー。以前使っていた歯ブラシ(写真左)で猫の歯石にリペアンを付けて…。左の歯ブラシは人間用のものですが、小さな猫の口にGoodです(これを見つけるまで右のペット用のものを使用していました)。
リペアンを上あご左右の歯石につけてしばらく放置してから、爪で引っかけてみました。が、取れません。「やっぱり無理か」と思いつつ、反対側の歯石を引っかけてみると…根本の歯石だけ取れました!こちら側は歯石が取れる前の写真を撮っていなかったのですが、反対側と同じように歯石がついていました。取れた歯石のかけらは猫が飲んでしまいました(よほど大きなものでなければ大丈夫らしい)。
ちなみに歯石を取ろうとする際、スケーラーなどの器具は使わないで。嫌がる猫が顔を動かして、歯ぐきや口の中を傷つけてしまうのが目に見えます。猫によっては、飼い主の手を口の中に入れるだけでも危険。猫のようすをみて無理にやらないよう気を付けてください。
リデンタウォータープラスを使ってみた
もうひとつ試してみたのが犬猫の液体歯磨き。飲み水に入れるだけでいいというリデンタ ウォータープラスです。
これがとても効果がありました!
リデンタ ウォータープラスはかすかにハーブの匂いがしますが、猫は抵抗なく飲んでくれました。1本使い終わったところで猫の歯ぐきを見てみると、歯の根元の赤み(歯肉炎)が引いていました。上の写真は現在の状態。リデンタを始める前は歯の根元がもっと濃い赤だったんです。残念ながら、写真を撮り忘れてしまいましたが…。
飲み水に入れるだけなので、歯磨きができない猫におすすめだし、腎臓病の猫はちょくちょく水を飲むからピッタリ。その後、リデンタウォータープラスはうちの猫の必需品となりました。
リデンタにはスプレータイプも。これで歯石が取れたという口コミもあったので、先日取り寄せてみました。こちらの結果も後日レポートします!
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