犬猫のノミ駆除・ノミ予防2 効果的な8つの方法と注意点
2013.10.16
前回「犬猫のノミ駆除・ノミ予防1 ~ノミの生態とおそろしい感染症の関係~」に続き、今回は具体的なノミの駆除・予防方法についてご案内します。
種類豊富な犬猫のノミ駆除・予防グッズ。使い方は?
ノミの駆除・予防グッズにはノミ取り櫛、シャンプー(液体、ムース、パウダー)、ディップ、滴下式、スプレー式、飲み薬、サプリメント、首輪型など、様々な種類があり、使い方もそれぞれ異なります。使用の際には用法・用量をよく守り、かかりつけの獣医師の指示に従って使用してください。
- ノミ取り櫛
櫛で被毛をすき、地道にノミをすくい取っていく方法。薬剤を使わないので生後間もない子犬などに安全です。注意点は取ったノミを潰さないこと。お腹に卵を持っているノミを潰してしまうと、卵がまわりに飛び散り、さらなるノミの繁殖につながってしまいます。取れたノミは、水と少量の食器用洗剤を入れた容器に落とすように。ノミは数秒で死にます。
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- ノミ取り専用の液体シャンプー
使用する際はすぐに洗い流さず、しばらく放置してシャンプーの効果が出るのを待つのがポイントです(5分から10分程度)。じつはノミ取り専用シャンプーはノミを気絶した状態(仮死状態)にしているだけなので、シャンプー後、全身をよく洗い流し、ノミ取り櫛などでブラッシングする必要があります。洗い流さなくてもよいムースタイプやパウダータイプのものもあります。
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- ディップ
シャンプーと似ていますが、薬剤を液体に溶かして全身浴をさせるというもの。薬剤を被毛へコーティングします。効果は1~2週間程度。個体によっては皮膚の乾燥やかゆみを起こすことがあるので、獣医師と相談して使用してください。 - 滴下式
各製薬会社から、大変効果の高い駆除薬が開発され、動物病院などで販売されています(例:フロントライン、アドバンテージ等)。成虫だけではなく、卵の孵化や幼虫の成長を抑止するもの(IGR=成長調整物質の利用により卵の孵化や幼虫の成長を抑制します)もあり、同時にハジラミやマダニなどを駆除できるものもあります。薬剤の濃度や種類によって効果が異なるので、まずは獣医師の指示に従って利用すると良いでしょう。
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- スプレー式
いわゆるスプレー式の殺虫剤や虫除けスプレーと、滴下式と同等の成分をスプレー式にしたものとがあります。子犬・子猫にも使用ができ、滴下式と同等成分のものは、同様の高い駆除効果があります。 - 飲み薬
飲み薬タイプの効果は2種類。1つは、ノミの卵を孵化させなくするもの。もう1つは、ノミそのものを殺してしまうものです。どちらも約1か月程度の効果がありますが、安全性の高いのは前者といわれています。ペットの体調などを考慮して、動物病院で相談して決めるのが良いでしょう。 - サプリメント
ノミを寄せ付けない成分を配合したサプリメント(栄養補助食品)。体からノミの嫌うニオイを出させ、ノミの寄生を抑制します。醸造用イースト菌やビール酵母などが混入されているものもあります。元々は栄養補助を目的にしたものが多いため、過剰摂取は栄養バランスを崩してしまうおそれも。あげる際は適量を保ってください。 - 首輪型
滴下式と同様に、 医薬品と医薬部外品があります。基本的には医薬品のほうが駆除・予防の効果は高く、医薬部外品はノミの嫌がるハーブ等を用いたノミ除けタイプのもの、駆除薬剤を用いた駆除タイプのものがあります。ハーブ等を用いたものはペットに優しい天然の素材ですが、ノミへの効果は限定的。また、駆除タイプの首輪は長時間の継続使用によって皮膚の疾患等を起こすこともあるため、使用には注意が必要です。
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まずは獣医師に相談しましょう
以上を総合すると、最もノミの駆除・予防効果がありペットへの負担が少ないのは、動物病院等で入手できる滴下式の医薬品です。グッズの正しい使い方を含め、ノミ等を見つけたら、まずは、かかりつけの動物病院に行って獣医師に対策を相談するのがノミ駆除・予防には一番の近道です。
また、ノミの発生を防ぐには、住環境の改善も不可欠です。日頃から床やカーペット、ベッド・ソファ・クッション等の掃除を心がけてください。
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