猫の乳腺腫瘍を振り返って【後編】3回目の再発と手術から3年半。全治といえるかも…!

猫の乳腺腫瘍

現在、ペットの猫の死因は「がん」が一番多いといわれています。じつはうちの猫・ニコは、2010年に9歳で乳腺腫瘍を発病し手術をしました。今回は以下【前編】その後の2、3回目の再発と手術についてです。
ちなみに2017年2月現在ニコは15歳ですが、元気いっぱいです!もしあなたの猫が乳腺腫瘍になり手術に迷っていたら、参考にしてみてください。

猫の乳腺腫瘍を振り返って【前編】しこりの発見と、1回目の手術に至るまで

ペットの死亡原因は、犬も猫も「がん」が1位だということ、みなさんご存知でしたか? ペット保険会社(日本アニマル倶楽部)調査によると、犬の死因は、1位:がん(54%)…

猫の乳腺腫瘍。手術後は抗がん剤?免疫力アップ?

1回目の手術を終えたとき、先生から抗がん治療のお話がありました。点滴で抗がん剤を猫の体に入れるそうです。手術後の猫にとって大きな負担になります。幸い組織検査では「腫瘍はすべて取り除かれ、他組織への浸潤はみられない」との結果。「必ずしもやったほうがいいわけじゃない」と先生。私もこれ以上、病院で何度も点滴を受けさせるのは猫に酷だと思いました。

ネットで調べてみたところ、猫の乳腺腫瘍も免疫力を上げることがいいようです。ペット用のサプリやキノコのエキスなどが販売されていました。なかでも多かったのが、D-フラクションというマイタケのエキス。口コミでは「元気になってきた」「毛艶がでてきた」などよいものが目立ちました。

獣医師に聞いてみると、「猫に負担がないので使ってみる価値はあります」とのこと。早速、ネットでD-フラクションを購入。使い方は2、3滴のD-フラクションをごはんに混ぜるだけ。いつも通り食べてくれました!

【ネットで購入できるD−フラクション】

猫のがんにはフードの見直しも必要です。手作りごはんやオーガニック系のフードも試してみました。が、あまり食べず…。結局は国産ウェットフードに落ち着きました。

再びしこりを発見。2回目の手術で左側すべての乳腺を切除

1回目の手術から2年弱の2012年3月。再び猫のお腹にしこりを見つけました。今度は前回とは反対側、左第1乳腺と第2乳腺の周辺です。この手術でも一つの決断がありました。それは、悪くなっていない左第3乳腺、第4乳腺もいっしょに切除するかどうか。

やはり悪くない部分にメスを入れるのは抵抗があります。が、「猫の乳腺腫瘍は取っても取ってもできるよ」という先生の言葉から切除を決意。レントゲンで肺などへの転移が見られなかったので、すぐに猫を入院させました。

このときの縫合跡は前脚のつけ根から後ろ脚のつけ根まで。前回よりさらに痛々しく…。「これで手術はおしまいになってほしい」と願いました。

痛々しい縫合跡。私の目が届くときはカラーと術後服を外してあげました。

残っていた右側上部の乳腺周りにしこり。3回目の手術

それでもしこりはまたできました。残っていた左第1乳腺、第2乳腺の周りです。2回目の手術から1年が経過した2013年6月、猫は12歳になったばかり。1回目の手術でしこり周りだけ切除(左第3乳腺、第4乳腺)したのを悔やみました。

12歳となると多くの猫が腎臓病を患うため、大きな手術に臨めない猫もいます。うちの猫も以前クレアチニンの数値が高い(腎臓病予備軍)と言われたことがあります。幸い手術には問題ない数値だったので、すぐに3回目の手術へ。残りの乳腺を切除しました。

乳腺すべてを切除したので乳腺腫瘍のリスクはほぼゼロになったうちの猫。とはいえ他臓器での転移・発症が気になります。しばらくは、D-フラクションやしこりチェックを続けます。ただ困ったことに、猫は私がお腹を触ると怒りMAXに。「お腹を触られる→病院→入院・手術」という図式ができたしまったようです。

最初の手術から6年半、最後の手術から3年半。全治といえるかも…!

3回目の手術から3年半が経ちました。15歳になったうちの猫は毎日キャットタワーを駆け上がっています。もし、みなさんの愛猫が乳腺腫瘍にかかったとしてもあきらめないでください。元気があって他の臓器やリンパへの転移がなければ手術という道が残されています。

ただ、猫の乳腺腫瘍はしつこく再発します。たぶん避妊手術が遅れた猫は、乳腺が残されている限り。私は猫に3回も手術させてしまいました。本来は右側1回、左側1回の計2回で取りきってしまうそうです。悪くない部分の切除は抵抗がありますが、結果的に猫に負担をかけません。

また、がんの進行を遅らせる免疫力のアップも重要です。1回目の手術後は、D-フラクションをかなり熱心に与えました。だから2度目の発病まで2年弱と開いたのもしれません。ちなみに3度目の発病は約1年強後でした。もちろん個体差があるようですが…。

愛猫には長生きしてほしい。大きな目標はあと15年、30歳。そのためにも猫ががん体質であることを忘れず、免疫力を意識したフードや生活を。そろそろ猫を健康診断に連れて行こうと思います!

猫の術後服姿はせつない…。点滴用にそられた前脚も…。

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