猫の腎臓病ステージ3。腎盂腎炎であわやという事態に…

猫の腎臓病 ステージ3

ひさしぶりに当サイトスタッフの猫のようすをご報告します。じつは5月のGW中、かなりヒヤッとする事態になり…。

緊急事態宣言は腎臓病の猫の飼い主に好都合?

多飲多尿で腎臓病が発覚してから2年が経過した当サイトスタッフの猫。ラプロスと各種吸着剤&サプリに加え2019年秋からは皮下輸液を開始し、週1回動物病院に通っていました。現在ステージ3の腎臓病です。

4月の緊急事態宣言により動物病院は完全予約制に、当サイトスタッフはテレワークになりました。正直「これは好都合だな」と(笑)。在宅勤務なら、フードを少ししか食べない猫を置いて出勤しなくてもいいし(腎臓病の猫は食欲にムラがあり、フードの選り好みが激しい)、こまめに吸着剤やサプリメントを投与できます。そのおかげか、この時期の猫は元気にしていました(以下は4月22日撮影)。

猫のようすが急降下。予兆はおしっこの臭い

「緊急事態宣言の延長」が発表された5月4日のすぐ後でした。「あれ?ご飯あまり食べないな」と思っていたら、翌日はほとんど食べなくなり…。猫が好きなフードを出してもダメ、表情も元気なく固い。ベッドや涼しい場所で横になり目を閉じていますが、あまり眠れていないようでした。

翌日、動物病院での皮下輸液で、少し前から気になっていた「おしっこのへんな臭い」のことを話しつつ「腎盂腎炎では?」と獣医師に聞きました。検温すると発熱はなく、獣医師は「おしっこの臭いは皮下輸液のビタミン剤かも」と。もともと腎臓病の数値が上がっているので様子をみることになりました。

ところが帰宅後も状態は悪いまま(腎臓病の脱水の場合は輸液後は元気が出てきます)。「こんな急激に腎臓病って悪化するの…?」といたたまれない気持ちに…。

トイレからはみ出たおしっこ。そして異常発見!

そんなとき、猫のおしっこがトイレからはみ出し、床が濡れているのを見つけました。色は異常なし。「歳だからかな…でも?」と猫トイレの猫砂をペットシーツにチェンジ。すると次のおしっこに「ドロッとしたやや黄色い粘液状のもの」と「赤い線状のもの」を見つけたのです。

翌日、シーツを動物病院に持参。他の病気の有無の確認を含めエコー検査をすると「腎盂の周りに影が見えるので腎盂腎炎でしょう」と獣医師。他にもいくつか気になる点をおっしゃってましたが、ひとまず抗生剤を注射し、投薬用の抗生剤も処方されました。ちなみにトップの写真はエコーのために毛刈りした猫です。

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腹部のエコー写真をもらいましたが…


幸いなことに抗生剤がバッチリ効きました!帰宅後しばらくするとスヤスヤ寝始め、数時間後には起きてごはんも食べて…。「このまま亡くなるかも…?」という不安も一気に解消。とはいえ、何も言えない猫に丸3日もつらい思いにさせてしまったわけで…。皮下輸液時にエコー検査をし、抗生剤を打ってもらうべきでした。

猫の腎盂腎炎。おしっこのにおいに注意

ちなみに腎盂とは、腎臓と膀胱をつなぐ尿管の先の扇状の部分(下記参考)。ここに細菌が入り込み炎症が起きると腎盂腎炎となり、腎盂だけでなく腎臓にも炎症が及びます。

猫の腎臓病 腎盂腎炎 
腎臓の模式図(人間)


症状は以下。うちの猫のケースは発熱や飲水量の増加、頻尿はほとんどありませんでした。

  • 食欲不振、元気がない
  • 発熱
  • 飲水量の増加
  • 頻尿
  • 尿が濁る
  • 尿のにおいが強くなる

今回のことから猫の腎盂腎炎は「におい」が重要なサインだと分かりました。腎臓病の犬猫の飼い主さんは、日頃から彼らのおしっこの臭いに気を付けてくださいね。

ちなみに、腎盂腎炎を引き起こす細菌は、歯周病菌の可能性が高いのだとか。うちの猫は以前から歯石が付いてしまっていますが、腎臓病+高齢で歯石取りができず歯磨きも超苦手(震えてしまいます)。今回の腎盂腎炎は歯周病菌の可能性大です。
ちなみに歯磨き代わりに以下を使っています。やはり歯磨きと歯石ケアはとても大切!

影響は腎臓病の数値にも…

腎盂腎炎の治療は、抗生剤の注射と投与、毎日~2、3日に1度の皮下輸液でした。抗生剤の投与から約10日後に行った血液検査では、やはり腎盂腎炎の影響が出ています。

検査項目(基準値)検査日尿素窒素
(17.6~32.8)
クレアチニン
(0.8~1.8)
リン
(2.6~6.6)
総タンパク質
(5.7~7.8)
3/186.34.175.16.9
5/16101.44.336.87.9
5/24102.24.496.97.8
6/2786.86.067.07.0
7/25 ※加筆92.13.314.97.0

腎盂腎炎でこれまで100を超えていなかった尿素窒素が100超えに。尿たんぱくはかろうじて範囲内。獣医師のアドバイスにより、しばらく皮下輸液を週2回することに。
1か月後の6月末、尿素窒素(BUN)は下がりました...!が、クレアチニンとリンは上昇…。猫のようすはというと、食欲にはムラがあるものの、毎朝飼い主が起きるのを顔の近くで待ってるくらいに回復。キャットウォークにも上っています。

7月末の血液検査でまた加筆します。引き続きお付き合いください。

※8/3 加筆:7月25日の血液検査では(以上の表を参照)尿素窒素の上昇はあったもののクレアチンとリンが大きく下がりました!どちらも腎盂腎炎にかかかる前よりもよい値です。これで一安心です。週2回受けていた皮下輸液は4~5日に1回くらいにしながら様子をみるつもりです。

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