殺処分ゼロへ第一歩!札幌市、「生後8週間は犬猫の親子を共に」条例化に向けて発進
2月17日、北海道札幌市が市議会に提出した「札幌市動物の愛護及び管理に関する条例(案)」が話題になっています。
なぜかというと、この条例案にはすべての犬猫の飼い主に「生後8週間は親子を共に飼養してから譲渡するよう努めること」が、第7条第4号に盛り込まれたため。これは、以前から問題視されていたブリーダーやペットショップでの子犬・子猫の販売開始時期にも関わります。
「TOKYO ZEROキャンペーン※」では、この札幌市の動きに期待を込め、2月19日に緊急集会を開きました。編集部スタッフも急きょ参加!概要をお伝えします。
※東京オリンピックが開催される2020年までに、各界の著名人有志によりペットの殺処分ゼロを呼び掛けているキャンペーン活動。ウェブサイトなどで署名を呼びかけ、動物愛護法改正に向けて勉強会などを開催しています。
目次
著名人、議員、獣医師、動物学者、保護団体、飼い主が札幌市を応援
2月19日の緊急集会には、女優の浅田美代子さん、「TOKYO ZERO」代表理事の藤野真紀子さん、衆議院議員・松野頼久さん、参議院議員・福島みずほさん、東京農業大学教授の太田光明さん、獣医師の青木貢一さん、西山ゆう子さん、動物保護団体の方々など各方面の有識者が集結。みなさん札幌市への熱い応援メッセージとともに、なぜ「生後8週齢」が大切なのか、今後の愛護法改正に向けてどうすべきなのかお話しされました。
現「動物愛護法」の問題点とは?
2012年に改正された「動物の愛護と管理に関する法律」(以下、動物愛護法)では、ブリーダー は「生後56日を過ぎるまで犬猫を販売できない」としながらも、緩和措置により、「2016年夏までは45日、その後もしばらくは49日過ぎていれば販売 してもいい」とされています。
つまり、法律では「生後56日」に改正されても、いまだに生後45日の小さすぎる犬猫たちが販売されている現状です。動物愛護団体やペットを愛する人々から、「骨抜き改正」と大きな非難を浴びたことは、いうまでもありません。
親から生後8週齢前に離した犬猫の問題点、保護活動現場の切実な思い
「生後8週齢」という基準は、「犬猫の離乳は7~10週という研究結果から正当なものであり、欧米では当たり前となっている」と動物行動学の先生が説明。獣医師からも、親から生後8週齢未満で親と離した犬猫の問題点4つが挙げられました。それは、
2.伝染病にかかりやすく、弱い
3.下痢をしやすく、なかなか治らない
4.一般の人(飼い主)が育てるのは難し過ぎる
以上を「獣医なら全員、身に染みて感じている。」とのこと。これが飼い主が手放すこと、業者による殺処分へとつながっていると指摘しました。
また、保護団体や保護猫カフェの方からは、「我々はギリギリでやっている。とにかく蛇口を閉めないと保護活動の現場は崩壊してしまいます。生後8週齢から始めなければ」と切実な思いが。この言葉に会場にいた全員の身が引き締まり、思いが一つになったと感じました。
札幌市「生後8週齢を条例化」を応援しよう!
札幌市の「生後8週齢の条例化」は2016年10月からの条例施行を目指しています。みなさんも署名などで札幌市を応援しませんか?また、TOKYO ZEROが行っている殺処分ゼロへの活動も署名で参加できます。次の動物愛護法改正と殺処分ゼロ、早く実現したいですね!
動物福祉向上を目指して、札幌市動物愛護条例の「生後8週間は親子を共に飼養する」条項を応援しよう!(change.org)
TOKYO ZEROキャンペーン ~ すべてのペットが幸せになれる東京へ~(change.org)
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