猫のおしっこが特別くさい原因と、気になる猫トイレのニオイを軽減する方法

どんなにかわいい猫でも、おしっこのニオイは強烈にくさい!人や犬とは違った刺激臭がありますよね。このニオイの原因は一体何なのでしょうか?猫トイレのおしっこ臭を軽減する工夫やグッズとともにご紹介します。

猫のおしっこ臭の原因1、フェリニン

猫のおしっこは人間や犬とはちょっと種類が違って、ツーンとした刺激的なニオイがします。猫を子猫から飼ったことがある人は分かると思いますが、子猫のおしっこには刺激的なニオイはなく、大人になる前あたりからキツくなってきます。なぜなのでしょう?
岩手大学農学部と理化学研究所の共同研究により、以下のことが分かっています。
猫のおしっこ臭には2つの物質が関係しています。まず1つ目は、家猫と近縁の動物の尿だけに含まれる「フェリニン」という硫黄を含むアミノ酸。このフェリニンの尿中分泌量は、生後6か月以降の猫から増加し未去勢のオス猫で高い値を示します。
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猫のおしっこ臭の原因2、コーキシン

2つ目の物質は、「コーキシン」というたんぱく質の1種。ヒト、マウス、イヌ、ウシなどの尿からはまったく検出されない物質です。家猫では生後3ヵ月頃から分泌が始まり、成長に従って増加。オス猫のほうメス猫より4倍近くの量が分泌されていて、去勢後のオス猫はコーキシンの量が減少することが分かりました。
研究によると、このコーキシンがフェリニンを合成する酵素のような働きをすることが判明。フェリニンは「3-メカプト-3-メチル-1ブタノール」という猫のおしっこ臭の主な成分に分解されます。つまり、「フェリニン」と「コーキシン」の分泌が合わさる生後6か月頃から、フェリニンそのもののニオイと分解物により猫のおしっこが臭くなる、というわけです。

猫トイレのおしっこ臭を軽減する方法は?

猫を飼っている人にとって、猫トイレのおしっこ臭は大きな悩みの一つです。そこで、猫飼いのみなさんが、猫トイレのニオイ対策として行っている様々な工夫を調べてみました。

1.フタ付きの猫トイレ、システムトイレに変える

まずは、猫砂と消臭シートの二層構造になっているシステムトイレをおすすめ。多くの猫飼いさんから効果的だと言われています。しかし、「1週間シート交換不要」とうたっているものの、実際は毎日交換しないとにおうという飼い主さんが多いようです。


次は、ニオイが拡散しないフタ付きの猫トイレをおすすめします。しかし、掃除が面倒になってしまうのがデメリットです。

2.こまめに猫トイレを洗う、消臭シーツを底に敷く

猫のおしっこは猫トイレの底まで染みています。できれば週1回は、猫砂を取り出して猫トイレを丸洗いし、しっかり乾かしましょう。キレイにした猫トイレの底には、消臭シートを敷くとさらにニオイが抑えられます。

3.固まりのいい猫砂に変える

おしっこが染みた猫砂の取りこぼしも猫トイレが匂ってくる原因の一つです。おしっこがしっかり固まる猫砂に変えてみましょう。いろいろなタイプの猫砂がありますが、固まりがダントツでいい猫砂は鉱物タイプです。しかし鉱物タイプは、重い、散らばる、地域によって燃えるゴミで出せない、といったデメリットも。


鉱物タイプの次に固まりがいいのは、おからや紙が原料のタイプ。ヒノキなどの木が原料のタイプは消臭力はあるものの、固まりが悪いのが難点です。

4.猫のおしっこ臭専用の消臭スプレーを使う

最近は猫のおしっこ臭専用の消臭スプレーが販売されています。以上の対策をしつつ、気になるときに使います。

ちなみに、猫のトイレの設置場所をどこにするかもニオイ問題には重要です。モフマガbyペットホームウェブスタッフのように、人のトイレ内に猫トイレを設置するのが一番いいかもしれません。

オゾンを発生させる脱臭器などの安全性について

猫のおしっこ臭対策に、空気清浄機や脱臭器などを猫トイレの近くに置いている人、これから置きたいという人がいらっしゃるかと思います。しかし、その空気清浄機や脱臭器がオゾンを発生させるものの場合は使用には注意が必要です。
オゾンとは、放電や太陽の紫外線などによって生成される気体で、空気中にも微量に存在しています。強い酸化力を持ち、水や空気の浄化・殺菌、脱色、有機物除去など広い分野に用いられています。しかし同時に有毒性があり、多量に吸ってしまうと心身に不調をきたします。国民生活センターや日本獣医師会でもペットや人のいる場所での使用に厳重注意を促しています。
参考:日本獣医師会会報「オゾン脱臭器に伴う危険性について」
もちろん、以上の注意喚起により研究開発を経て販売されている製品が増えてきました。が、念のため購入の際には下調べをお忘れなく。使い方にも十分気を付けましょう。

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