猫の飼い方~猫を飼う前に知っておきたい食事・環境・ケア・健康管理~

猫の飼い方

猫を飼う前には、まず、猫という動物について理解しておかなければなりません。猫は気ままで従うことや束縛があまり好きではありません。犬のように、常に飼い主と一緒にいることを望んでいる動物ではないことをあらかじめ心得ておきましょう。

猫に必要な栄養と食事の与え方

猫はもともと肉食動物です。人間のように様々なものを食する、いわば雑食ではありません。昔であれば、野生の猫はネズミや昆虫などを捕食していました。

しかし、現在では飼い猫のほとんどが、キャットフード(総合栄養食)を食べています。最近では手作り食なども流行っていますが、毎日、手作り食では必要な栄養素の全てを補うことが難しいため、キャットフードと併用することをお勧めします。
猫に必要な栄養素は、脂質タンパク質炭水化物ミネラルなどです。なかでもタウリンは、猫が自身の体内で生成することができない物質です。外から食べ物などで補ってあげることが大切です。
※ロイヤルカナン 犬と猫のための栄養成分辞典 タウリン

成猫の場合の食事の回数は、朝と夜の2回をできるだけ決まった時間に与えるようにしてください。置き餌は極力避け、与えた時に食べたがらないからといって放置せず、5分程度見守って食べる気配がなければお皿を下げてしまいましょう。日中は水だけはいつでも飲めるようにしておいてください。猫はグルメな子が多いので、食事を選り好みしているかもしれません。「出されたときしか食べられないもの」と認識させるために、1日に必要なカロリーの半分を朝に、その残りを夜に与えるようにしてください。

猫の飼育に必要なものと快適な環境とは?

猫には、寝床、トイレ、運動ができる場所(キャットタワーなど)が必要です。また、猫を預ける場合や、急な病気で動物病院に連れて行くときはキャリーバッグやクレート(ケージ)なども必要になります。

・寝床
猫は日中のほとんどを眠って過ごします。飼い主の不在時などは、ほとんど眠っていることでしょう。そんな猫には、ぐっすり休める寝心地の良いベッドを用意してあげましょう。猫は清潔な環境を好みます。ベッドは洗えるタイプのもので、できるだけふかふかな素材のものが良いでしょう。設置場所は、室内の人通りの少ない静かな場所を選んであげてください。また、猫は高い場所(たんすの上など)を好む動物なので、床に直接置くよりも少し高い位置(猫が下りられないような高い場所は避ける)にベッドを設置してあげると喜んで使ってくれるはずです。

・トイレ
猫はキレイ好きな動物です。トイレが汚れていると、それを避けるためにトイレ以外の場所で排泄することがあります。一度臭いが付くと、その場所での排泄が癖になってしまうため、トイレは常に清潔に保ちましょう。猫によっては、トイレの形や素材・猫砂などにもこだわる場合があります。それぞれの性格をよく把握し、できるだけ好みにあったものを用意してあげてください。

・上下運動ができるキャットタワーなど
猫は犬と違い、高さのある上下運動を好む動物です。室内飼いの猫の場合は運動不足になりやすいため、定期的に猫じゃらしなど猫用のオモチャで遊んであげるほかに、キャットタワーなどを設置したり、たんすの上など高さのある家具の上で遊べるようにするなど、上下運動のできる環境を整えてあげましょう。

日々のお手入れと健康管理

猫は日常的に自分で毛づくろいをする動物です。しかし、長毛種の猫はそれだけでは不十分です。大きな毛の塊ができて皮膚病の原因になったり、飲み込んだ毛が排出されず胃の中で大きくなりすぎると、毛球症となってしまいます。毛球症は最悪の場合、胃を切り開いて毛玉を取り出すことになります。手術にならないよう飼い主さんは定期的にブラッシングしてあげる必要があります。

短毛種の猫は普段は問題ありません。が、換毛期は猫が毛を飲み込みすぎないように、飼い主さんがブラッシングで余計な毛を取ってあげる必要があります。毛球症を防ぐには、毛玉ケアのフードを与える、猫草を食べさせてこまめに吐かせること、毛玉ケア用のジェルなどが効果的です。

飼い主さんは、日頃からブラッシングで猫の身体を触ってあげてください。スキンシップが取れるだけでなく、体の異変などにも気づきやすくなります。

いつもの食欲や排泄を観察しておく

また、日頃から猫の食欲や排泄行為をよく観察しておきましょう。
猫は本来、砂漠で生活していた動物なので水分をあまり取りません。加えて、高タンパク質を摂取する肉食系動物のため、腎臓や膀胱などの泌尿器系に負担がかかりやすくなっています。

その症状は「食欲の低下」と「排泄の変化」に表れます。これらに早く気付いてあげるためには、日頃からの観察が大切です。また、病気になる前に、健康診断を受診しておくことがおススメ。健康な状態とのわずかな違いが発見できるため、病気の早期発見につながります。

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