動物病院で唸り、失禁する猫。そのきっかけと、その後のようす

動物病院で極度の興奮状態になり、失禁・脱糞してしまう猫がいます。「性格のせい」と思われがちですがそうではありません。当サイトスタッフの猫のケースをまとめてみました。
キャリーバッグに入れられない
当サイトスタッフの猫は、動物病院へ行くことがかなり困難になってしまった時期があります。どんな状態だったかというと…、まず、キャリーバックを出しただけで隠れてしまいます。
そのため、何時間も前から捕まえる計画を立てます。例えば、ちゅ~るを使っておびき出したり(捕獲失敗後はほぼ効果なし)、隠れ場所を塞いでおいたり。失敗すると警戒して出てこないので、通院日を改めることも多々ありました。

通院の遅れは猫の体調悪化につながります。また昨今は、予約制の動物病院も増加。つまり、「時間通りに猫を動物病院に連れていけないこと」は、猫と飼い主さんにとって大きなリスクとなります。
診察台で失禁・脱糞してしまう
次は、うちの猫が動物病院でどんな状態になっていたかを振り返ってみます。
待合室で待っている間はおとなしくしています。ところが診察室に入り、診察台の上に出そうとすると唸り出します。そしてネットのまま診察台の上に乗せると…オシッコが出てしまいます。キャリーの中で漏らしていることもありました。

看護師さんがオシッコを拭いて獣医師が診察していると、今度はうんちのニオイが!再び看護師さんが処理。採血などは、ネットの上から猫を保定しチャック部分から腕や足だけを出して行います。処置が終わり次第、キャリーへ。…すると猫は一気に落ち着きます。
幸い猫が獣医師や看護師を噛んだり引っかいたことはありません。なぜなら「洗濯ネットに入れていたから」。事故を防ぐため、できるだけ猫は洗濯ネットに入れましょう。
猫がこうなったきっかけは…?
猫がこうなる前は、動物病院で緊張して固くなる程度でした。あることをきっかけに変化したのです。…それは避妊手術。
うちのコが避妊手術をしたのは5歳のとき。ワクチン接種や健康診断を何度も受けていた動物病院でした。一泊の入院後、猫を迎えにいって大きな失敗に気づきました。それは、「犬と猫が同じ部屋に入院している」こと。猫がいた入院室から犬のけたたましい鳴き声が聞こえ、ハッとしました。これまで猫は、犬を見たことすらなかったのです。

急いでキャリーを受け取り帰宅。猫は明らかに気が立っていました。キャリーを開けるとシャーして物陰へ…。そして私は、キャリーから取り出したペットシーツに血液を発見します。慌てて猫を確認すると、短く切られた爪先から血が…!止血薬で処置してありましたが、明らかに切り過ぎでした。
入院した動物病院でした怖い思い+痛い思い。猫がこうなってしまったのも当然です。入院設備について予め聞いておくべきだったと反省しました。
獣医師が診察を断念⁉
その後、ほかの動物病院探しが始まります。
まず、商店街にある動物病院へ行きました。「あの病院じゃなければ大丈夫だろう」と気楽に構えていた私は、猫を洗濯ネットに入れ忘れていました。
診察室に入るとやはりウーウーシャーシャー。その勢いとネットに入っていない猫を見て獣医師は「これでは診察できない」と断念。私は「そんなことある?」と拍子抜けしつつも「どこへいけば…?」と焦ってきました。

すぐに次の動物病院へ猫を連れて行かずに赴きました。入院室について聞くと、「2つあるので分けられる」とのこと。見学もさせていただき、「何かあったらここでお世話になろう!」と思っていました。が、思わぬことで別の動物病院へ行くことに…。
乳腺腫瘍で猫専門病院へ
思わぬこととは猫の乳腺腫瘍でした。手術と入院を考えると、見学した動物病院か(徒歩圏)猫専門病院か(電車orタクシー)、さんざん悩みました。そして腫瘍という難病に立ち向かうには、「猫の臨床が圧倒的多い猫専門病院がいいのでは」と結論。
この選択は正解でした。猫専門病院の獣医師と看護師は、猫が唸り、失禁・脱糞しても意に介さずてきぱきと処置。それを見て「ここで手術しよう」と決め、その後3~4年で猫に計3回の乳腺切除手術を行いました。獣医師によると、1回目の手術の前だけ(レントゲン)激しく唸っていた、とのこと。
シニアになって克服
3回目の手術が終わり経過観察の期間、近所の動物病院で健康診断を再開。猫がシニア期に突入するので、通いやすさと土日の営業が決め手となりました。
やはり初めての診察では唸って、失禁・脱糞がありました。でも3回目くらいから脱糞がなくなり、4回目は失禁もなくなりました。「ここならすぐに帰れる」と理解してくれたと思います。
猫が腎臓病予備軍といわれる血液数値になると、頻繁に通院し血液検査(採血)を行いました。数値の悪化とともに通院はさらに増えましたが、猫はもう唸ったりしませんでした。腎臓病末期は、毎日皮下輸液に通うことも。それでも猫は、キャリーに入るときも診察台の上でも大人しくしていました。
以上のようにうちの猫はいわゆる「暴れる猫」になり、いろいろな動物病院でお世話になって、シニア期にようやく克服することができました(確か15~16歳)。反省点などご参考にしていだければ幸いです。
お近くに猫専門病院かキャット・フレンドリー・クリニックがある方は、扉をたたいてみてはいかがでしょう?
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