保護猫・子猫を迎える。どのタイミングで何を準備する?
初めて猫を飼う方でも譲渡会・里親会で保護猫・子猫を選ぶことが増えきたようです。どのタイミングで何を準備したらよいでしょうか?
初めての猫に保護猫・子猫を迎える
保護猫預かりを通じて保護主さんと里親さんのやりとりを見てきた当サイトスタッフ。始めてまだ1年間くらいですが、これまでに3回、5匹の猫を預かりました。そしてすべての猫に里親さんが見つかりました。
猫たちの譲渡状況はこんな感じです。
- 1回目:子猫2匹(生後4~5か月)→里親さんは20代独り暮らし女性。猫の飼育経験なし。1匹希望だったが2匹同時譲渡に。
- 2回目:元地域猫オス(推定5~6歳)→里親さんは保護主さんが以前ほかの猫を譲渡。お仲間を希望。60代女性。
- 3回目:子猫2匹(生後8~9か月)→里親さんは犬を看取った経験あるご家族。猫は飼育経験なし。アレルギーの懸念で1匹からトライアル。その後2匹トライアルし同時譲渡。
ご覧のとおり、3件中2件の里親さんが初めて猫を飼う方。保護猫・子猫を迎えるという選択肢を選ぶ人が増えきたようです。
そこで今回は、これから初めて保護猫をお迎えする方に、準備したいことをまとめてみました。
「初めてだから子猫1匹」とは限らない
まず、初めて保護猫を…という方は、「猫初心者だから子猫1匹をお迎えしたい」とお考えだと思います。…が、ちょっと待った!
確かに子猫の保護猫は大人の保護猫より人慣れが早い。そして破格のかわいさ。一度は育ててみたいですよね。
とはいえ子猫は人間の子供同様にまだ親に面倒を見てもらう存在です。急な体調変化、何をしでかすか分からない(おもに異物誤飲)危うさが伴います。保護主さんが里親さんに求めるのは、猫の親として多くの時間をいっしょにいられる人…。ご自宅に誰もいなくなる時間が長いご家庭は難しいでしょう。
そして近頃、保護猫活動家や猫の保護団体は「子猫は2匹同時譲渡」を基本にしつつあります。2匹飼いのメリットはありますが※、譲渡費用、フード、猫砂、医療費がおよそ2倍。そして抜け毛も2倍。そのためご自宅の広さ的に難しい人、経済的に難しい人、アレルギーが心配な人は避けたほうがいいことに…。
※参考:猫の二匹飼い、初めてでも大丈夫?知っておくべきメリット&デメリット
つまり、お迎えする保護猫は子猫だったら1匹と限らないし、子猫ではないかも。だから運命の猫に出会いトライアルが決まるまで、ケージや猫トイレは用意しなくてOKです。
ケージ・猫トイレはトライアルが決まったら
譲渡会・里親会で運命の猫と出会ったら、里親になりたいことを保護主さんに申し出ます。里親希望者が複数いた場合は、保護主さんがその猫に一番マッチする里親さんに白羽の矢を立てます。
猫用品やグッズを用意するのはここから。どんな大きさ・タイプの猫トイレやケージを用意したらいいのか、保護主さんに聞きながら揃えていきましょう。ちなみに私がお付き合いしている保護主さんは、LINEを交換してやりとりしていました。
いろいろなタイプがあって迷ってしまう猫トイレや猫砂は、保護主さんに聞くのが手っ取り早いかも。実際に使ってみた経験から、使いやすいものを教えてくれるはず!
トライアルまでに万全な脱走対策を
脱走防止のための柵や網は、トライアルまでに設置する必要があります。人が出入りする玄関や吐き出し窓はもちろん、風通しのために開けたり、網戸にする窓にも対策が必要です。専用グッズやDIYで対策しましょう。
脱走防止対策は譲渡会へ行く前からでもできます。ある程度進めておくと、トライアルが早くできるのでおすすめ。どこまでやったらいいのかわからない場合は保護主さんと相談しながら進めましょう。
屋外で暮らしていた保護猫は外に出たがります。脱走対策には念を入れなければなりません。保護主さんにとって猫の脱走は、時間・手間・費用・愛情をかけた保護猫が再び野良猫になってしまうこと。絶対に避けたいのです。
お迎え前から洗剤・柔軟剤を無香料に
保護猫を迎える準備として一番最初にやれること。それは、「洗剤や柔軟剤を無香料に変えること」「消臭・抗菌スプレーをやめること」です。
とくに香りをウリにした柔軟剤や洗剤は、化学物質過敏症を発症してしまう人が増え、問題となっています。洗剤や柔軟剤の香りの元はマイクロカプセルという化学物質です。これらがアロマ成分すら解毒できない猫※に無害なはずはありません。
※アロマの成分は植物由来ですが、肉食のネコ科動物には解毒できないものが多いといわれています。猫がいるところで使用しないこと。
獣医師が犬や猫の健康障害で動物病院に駆け込んだ飼い主さんの柔軟剤の香りに気付き、やめてもらったら健康障害が改善した…という報告もあります。
CHECK! 滋賀県近江八幡市キャットクリニックのブログ
・イマドキの柔軟剤・合成洗剤の問題点
・ヒトは大丈夫…でも犬猫は? その2
▼柔軟剤の代わりになるクエン酸
香りをウリにした柔軟剤や洗剤を使っているお家では、四六時中その香りが漂い、人も猫も鼻から化学物質を体内に取り込んでしまいます。人間の数万倍という猫の嗅覚を考えると、そのストレスは相当なもの。
保護猫・子猫を迎える人は、譲渡会の数か月前から洗剤や柔軟剤などを見直し、香りのないものに変更してください。
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