犬と猫がフードから摂らなければならない「必須アミノ酸」とは?
動物にとって必要な栄養素は動物の種類によって違い、そのバランスも異なります。今回はたんぱく質と必須アミノ酸について「愛玩動物飼育管理士 2級第2巻」を参考にまとめてみました。
動物に必要な栄養素は?
動物が生きていくためには食べ物から体内に栄養素と取り込まなくてはなりません。たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルが動物に必要な5大栄養素です。これらには、体内で「エネルギーになる」「体の構成成分になる」「体の機能を調節する」という3つの働きがあります。動物の健康を維持するためには、過不足のないこれら栄養素の摂取が大切です。
たんぱく質は3つの役割すべてに入っています。動物の体を健康に保ち、活動するためには、不足してはいけない栄養素であることが分かります。ただし、必要な量は動物によって違います。※
※参考:猫の食性は真性肉食動物。ヒトの約2.7倍のたんぱく質が必要です
たんぱく質はアミノ酸からできている
たんぱく質はアミノ酸で構成されています。アミノ酸は20種類あり、アミノ酸同士の組み合わせから数種のたんぱく質ができます。これらが筋肉や皮膚、被毛、骨、血管、臓器になったり、酵素や抗体、ホルモンになります。
人・犬・猫の必須アミノ酸
アミノ酸には動物の体内で合成できないものや合成量が少ないものがあります。これらは食べ物から摂取しなくてはなりません。これを必須アミノ酸といます。
この必須アミノ酸の種類や数は動物によって異なります。人の必須アミノ酸は9種、犬は10種、猫は11種あります。
人・犬・猫の必須アミノ酸(○:必須、✕:非必須)
| 人 | 犬 | 猫 |
グリシン | ✕ | ✕ | ✕ |
アルギニン | ✕ | ○ | ○ |
ヒスチジン | ○ | ○ | ○ |
ロイシン | ○ | ○ | ○ |
イソロイシン | ○ | ○ | ○ |
リジン | ○ | ○ | ○ |
メチオニン | ○ | ○ | ○ |
フェニルアラニン | ○ | ○ | ○ |
トレオニン(スレオニン) | ○ | ○ | ○ |
トリプトファン | ○ | ○ | ○ |
バリン | 〇 | ○ | ○ |
タウリン | ✕ | ✕ | ○ |
猫はタウリン欠乏に注意
猫にとって欠かせないアミノ酸の1種が「タウリン」※です。タウリンが欠乏した猫は、網膜変性や心筋症を起こすことが知られています。
※ただし、たんぱく質を構成する成分ではない。
猫の飼い主さんは、タウリンが含有された総合栄養食のキャットフードをメインで与えるよう気を付けましょう。
たんぱく質、必須アミノ酸が欠乏すると…?
フードの給与量や摂取量の減少による飢餓や低たんぱく食の長期給与により、たんぱく質欠乏症が生じます。また、慢性肝疾患、腎疾患、腸疾患からもたんぱく質欠乏症は生じます。
たんぱく質欠乏症の症状は、
- 被毛と皮膚が脆弱化する
- 脱毛
- 貧血
- 成長の遅れ
- 繁殖力の低下
- 慢性的な虚弱
- 感染症にかかりやすい
とくに成長期や妊娠期、授乳期では症状が顕著となります。また、前に述べた「必須アミノ酸の欠乏」では、たんぱく質欠乏症の症状とともに特殊な病的症状を示すことがあります。
総合栄養食には必須アミノ酸が含有
ドッグフード/キャットフードには、必須アミノ酸が含まれたフードとそうではないフードがあります。必須アミノ酸がすべて含まれているのは、総合栄養食です。飼い主さんは愛犬・愛猫に、必ず総合栄養食のドッグフード/キャットフードをメインで与えてください。
近年、ペットフード各社ではたんぱく質/必須アミノ酸に注目した総合栄養食を開発しています。
3つのたんぱく質にこだわったユニ・チャームのフィジカライフ(ドッグフード/キャットフード)では、「ワンちゃん・ネコちゃんが食べなかったら全額返金」キャンペーンを実施中(2023/12/31まで)。
キャットフード部門では7月31日まで室内猫用の試供品プレゼントを行っています。気になる人はこちらからご応募ください。
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