犬の肥満度を知るには?犬のBCSと体脂肪率について

犬 肥満度

「運不足による筋肉量の低下」と「肥満」は、じわじわと私たちの健康を脅かします。これは犬も同じ。では、あなたの愛犬は肥満でしょうか?今回は犬の肥満度を判断する2つの方法についてまとめてみました。

人はBMIで肥満度を判定する

人間は身長と体重から導き出されるBMI(ボディマス指数)で肥満度がわかります。BMIは、体重÷身長2=BMI の計算式で出すことができます。ちなみに日本肥満学会では、BMI=22(男女)を理想的な指数とし、25以上を肥満としています。
最近は体組成計でBMIと体脂肪率が同時にわかるので便利ですよね。では、犬の肥満度を判定する方法は?今回は2つの方法をご案内します。

犬はBCSで肥満度を判定する

まず1つめは、BCS(ボディコンシャススコア)から評価する方法です。BCSとは、犬の腰部分の視診と肋骨部分の触診により、皮下脂肪の沈着状態を把握して決定します。一般的には5段階評価方法と9段階評価方法がありますが、環境省では一般の飼い主さん向けに5段階の「犬のボディコンシャススコア」を示しています。

犬 肥満度 体脂肪率
環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」より


以上のように犬のBCSとは、犬の真上と真横からの見た肋骨、腰のくびれ、腹部の肉付きや触った感触で犬の肥満度を評価します。飼い主さんにもできるので、ぜひ愛犬の肥満度を評価してみてください。

犬の体脂肪率を測る

動物病院で犬の体脂肪率を測るもう1つの方法は、人と同様に犬の体脂肪率を測ること。動物病院で犬専用の体脂肪計を使って測ります。それが花王株式会社が開発した犬専用体脂肪計「ヘルスラボ」です。

犬 肥満度 体脂肪率

花王 ヘルスラボ によると、日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)の獣医師と共同で日本の健康な家庭犬5,401頭(71犬種)の体脂肪率測定を実施したところ、4頭に1頭が肥満だったとか。また加齢や避妊・去勢によって体脂肪率が増加することがわかりました。

家庭犬の体脂肪率測定調査結果からわかったこと
◇全体の平均の体脂肪率は29.8%
◇体脂肪率35%以上の個体が全体の30.2%
◇体脂肪率40%以上の個体が全体の10.3%
◇体脂肪率は、未去勢オス<未避妊メス<去勢オス<避妊メス
◇オス・メスともに避妊・去勢手術によって体脂肪率が上昇
◇体脂肪率は年齢とともに上昇。特に1歳から5歳にかけて大きく上昇。

犬の適切な体脂肪率は?

同サイトによると、犬の適切な体脂肪率は20~29%。人間の女性の「30%以上:軽度肥満」と変わりません。犬はもっと筋肉質かと思っていましたが、小型犬から大型犬、仔犬から老犬までの調査となると、このような数値になってしまうのでしょう。

とはいえ「体脂肪率35%以上の個体が全体の30.2%」、さらに「体脂肪率40%以上の個体が全体の10.3%」は問題ありではないでしょうか。

犬 肥満度 体脂肪率
パグやビーグルは肥満になりやすい犬種。

犬の肥満度は動物病院で総合的に判断

犬の肥満度は以上の2つの方法に加え、犬種、年齢、去勢・避妊の有無、運動量、病歴などをふまえた獣医師の総合的な判断が必要です。
ヘルスラボを使って体脂肪率を測定できる全国の動物病院は以下となります。
愛犬の体脂肪率測定動物病院リスト(花王ヘルスラボ)
また、太りやすいといわれる犬種や、運動が嫌いな犬など愛犬の肥満・健康管理が難しい場合があります。そういうときは思い切ってヘルスラボを買ってしまってもいいかもしれません。動物病院専用ですが以下にて購入可能です。

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