12月に増える猫のおしっこの病気。なぜ?どう注意する?

猫 おしっこの病気

動物の身体は冬になるとさまざまな変化や不調が現れます。猫はどうでしょうか?

猫の泌尿器疾患は12月が最多

多くの猫は冬が苦手です。寒い季節、猫は彼らのウイークポイントである泌尿器に疾患を発症するケースが多くなります。

アニコム ホールディングスが毎年まとめている「家庭どうぶつ白書 2018」によると、猫の泌尿器疾患は12月が1年のうちでもっとも多い件数でした。本格的な寒さがやってくる12月。猫の飼い主さんは愛猫の泌尿器疾患に注意する必要があります。

※アニコム ホールディングスが自社ペット保険「どうぶつ健保」の保険支払い実績、独自に実施したアンケート調査の結果など、家庭どうぶつに関するさまざまなデータをまとめ、毎年発表しているもの。

冬 猫 おしっこの病気
2016年度にアニコム損保の保険契約を開始した猫について、泌尿器疾患で請求のあった86,714件の月別の診療件数を示した。

改めて猫のおしっこの病気(泌尿器疾患)とは何か見てみましょう。以下は上記調査の内訳です。

冬 猫 おしっこの病気
2016年度にアニコム損保の保険契約を開始した猫のうち、泌尿器疾患で請求のあった10,831頭の請求内容の内訳を示した。同一個体で複数の請求があった場合、それぞれ1としてカウント。

猫の泌尿器疾患とは、泌尿器系=腎臓、尿管、膀胱、尿道に起こるもの。猫のウイークポイントであり、もっとも注意すべき疾患です。なかでも膀胱から下に発症する膀胱炎や尿石症といった「下部尿路疾患」は多くの猫がかかります。1歳以上の若い猫にも発症するので、すべての猫に注意が必要です。

冬、なぜ猫のおしっこの病気が増える?

ではなぜ12月に猫のおしっこの病気が増加するのでしょうか?

本格的な寒波がやってくる12月は、猫の活動量が減少します。これに伴い猫が水を飲む量も減少。身体は気温の変化にもまだ慣れていない状態…これが増加の原因となります。

下部尿路疾患(膀胱炎/結石症)は、尿路や膀胱にできた結晶・結石や繁殖した細菌が引き起こします。猫が水をよく飲みおしっこしていれば体外へ排出されて悪影響を及ぼしません。ところが寒くなって猫が水を飲まなくなると、尿路や膀胱に留まってしまい増えるのです。

また、原因不明とされる猫の突発性膀胱炎は、“ストレス”が大きく関係しているのだとか。多くの猫は「寒さ・冷え」が苦手。心理的にも身体的にも「寒さ・冷え」は猫に悪影響を与えているようです。

冬 猫 おしっこの病気

猫のおしっこをチェックしよう

12月を迎えると寒さが本格的になります。猫の飼い主さんはいつも以上に猫のおしっこに気を付けてください。毎日、猫のおしっこの回数、量、色、においなどを観察しましょう。

猫のおしっこチェックポイント回数・量…いつもより回数・量が多い、いつもより回数・量が少ない、ともにおしっこの病気の可能性があります。
…健康な猫のおしっこの色はうすい黄色。ピンク色や白濁色、茶、透明な色はおしっこの病気の可能性。キラキラ光る結晶の有無も確認しましょう。
におい…においがキツくても、においがしなくても、おしっこの病気の可能性が。
粘性…粘り気のあるおしっこは、細菌性のおしっこの病気、または糖尿病の可能性。

猫のおしっこが「いつもと違う」と気付いたら、動物病院へおしっこを持参しましょう。寒い季節、季節の変わり目はこまめな尿検査を心がけてください。

ストルバイト/シュウ酸カルシウム尿石症になると、尿がアルカリ性に傾いたりミネラル成分が増えます。これらは尿のpHの崩れで分かります。尿のpHは以下キットや猫砂などでチェック可能。ぜひお試しください。

※マグネシウム・リン・カルシウムなど

▼チェックキット

▼チェック猫砂

↓ロイヤルカナンの尿中ヘモグロビンチェッカー。こちらは動物病院で販売。

予防対策は?

猫のおしっこの病気は、飼い主さんの工夫で予防することができます。もっとも効果的なのは、「猫にお水をたくさん飲んでもらうこと」。まずは以下の記事を参考にしてみてください。

猫の下部尿路疾患を予防。猫に水を飲ませる5つの工夫

その他の予防策もいくつかあります。そちらはまた次回に。

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