保護猫の脱走はこんな失敗から起こります。ご注意を!
猫の脱走はどのように起こるのでしょうか?当サイトスタッフの実体験から失敗原因などをまとめてみました。ぜひ、脱走防止対策や保護猫の扱い方の参考にしてください。
預かり猫がまさかの脱走
愛猫が亡くなってから、保護猫の預かりボランティアをしている当サイトスタッフです。じつは昨年、預かり始めたばかりの猫を脱走させてしまいました。預かって3日目、ケージに入れていたにも関わらず…。
そこで今回はそのときのことをまとめてみました。実際に猫の脱走したときの状況から、保護猫を迎える人が何に注意をすべきか考えていただければ幸いです。
ちなみに脱走させてしまった猫は、保護主さんと毎晩のように探して3週間後に発見!それから約1週間後に無事、保護(捕獲)することができました。捜索や捕獲についての詳細は、今後の記事でお伝えしていく予定です。
猫が脱走するまでの状況
猫の脱走は、実際はどのような状況から起こってしまうのでしょうか?そして、どんな猫が脱走するのでしょうか?それまでの状況はこんな感じでした。
先住保護猫が慣れた頃
当時うちには預かって4か月になるメス(推定3~4歳)がいました。多少ビビりでしたが在宅勤務のおかげでたいぶ慣れ、部屋でフリーにしていました(ケージを使っていたのはご飯とトイレのときだけ)。
そんなとき「空いているケージでもう1匹預かってほしい」と保護主さんから打診が…。普段なら大人猫2匹はキャパオーバーなので(猫の相性が悪かったら逃げ場がない広さ・間取り)お断りしているところ。しかし外猫たちの命にかかわる連日の猛暑から、引き受けることにしました。
どんな保護猫だった?
都内で保護され、保護主さんの家にいたのは1週間ほど。まだ子猫のように小さいメスでした。体重は約2.5キロくらい。驚きだったのは、この大きさで出産・子育て中だったこと。子猫たちは母猫より少し小さいくらいまで育っていましたが、捕獲機に入らなかったそうです。もしかしたら、子猫と離れ離れになってしまったのが脱走の原因となってしまったかも…と思いました。
いつ脱走した?
脱走したのは預かってから3日目の夜。猫は新しい環境にきたとき、もっとも脱走の危険が高まると言われます。まさにその通りに…。初めて人に捕えられ、屋内のケージで人と過ごし…。まだまだ緊張と興奮で落ち着けない状態だったに違いありません。
そういえば私の知人も、引っ越してすぐ愛猫を脱走させてしまったことがあります。やはり、猫にとって「新しい環境」はとてつもない恐怖。だから、いつもと違う行動=脱走する猫が多くなるのです。
保護猫の脱走につながった失敗
では、このときの脱走の原因となったことを挙げてみます。このような飼い主の油断や認識の甘さが猫の脱走を招きます。悪い例としてみなさんの頭に入れておいてください。
ケージの扉ロックが外れていた
1つめの失敗は、ケージの扉ロックがかかっていなかったことです。このとき使っていたのはスライド式扉のケージ。保護主さんに借りたものでした。上段と下段の連結パーツが足りず、一部を別ケージのパーツで代用していたため、ロックがかかりにくくなっていました。ケージの不具合をすぐ直しておけば…と深く反省。
▼スライド式ドアのケージ
脱走防止対策の不備
もうひとつの大きな失敗は、ベランダの掃き出し窓を網戸にしていたことです。網戸はアコーディオンタイプで上下に隙間があり、猫はここからベランダへ脱走しました。いつもなら換気で網戸にするときは、写真のようなワイヤーネットを置いていました。簡易的な脱走防止対策ですが、直接、網戸の隙間に行けないだけでもいいのでは?と作っていたものです。それがこのときは、置き忘れてしまうという大失態を…。
猫の脱走は網戸からが多いといわれています。網戸は外れたり破れたり、猫でも簡単に開けられるものがあるからです。なかでもアコーディオンタイプの網戸は、猫がいるお宅ではNG!身をもっての体験から、以後この網戸は使わず、ガラス戸を閉め切るようにしました。
ケージの置き場所の失敗
猫のケージは、このベランダ掃き出し窓のすぐ前に設置していました。ベランダには植木があり、1日1回、水やりをしていました。このようすを見ていた猫が、「ここから出られる」と分かってしまったのでは…?と考えています。
といっても、保護猫が来たときはいつものようにケージ全体に布をかけていました。3日目(脱走した日)の日中は布かけを上半分だけにしていたので、ケージからベランダへの出入りが見れたのは1回だけのはず…。
迎えたばかりの保護猫のケージは、ドアや窓の近くに置かないほうが無難です。それが難しい場合は、ドアや窓を「閉め切って開けない」「二重扉にする」などの万全な脱走防止対策を。
これまで大丈夫だったという油断
最後に私がもっとも反省したことを。それは、「これまでの猫は大丈夫だったから」という油断です。
これまで預かった保護猫は、ベランダへの出入りや外への興味を示しませんでした。そこから「保護猫といっても外に出たがらないものなんだな」と大きな誤解をしていました。たった数匹の保護猫を見てきただけなのに…。
そんな誤解が油断となり、ケージの不備や脱走防止対策の甘さにつながりました。
保護猫は少し前まで外で暮らしていました。それがある日捕獲機で保護され、見知らぬ場所でケージに閉じ込められます。その後、初めての動物病院で避妊・去勢手術。保護主宅・預かり宅ではやたらと触られ、譲渡会でたくさんの人に見られ…と目まぐるしい日々を過ごしています。
保護猫を迎える里親さんは「保護猫は脱走する」と思って、脱走防止対策をお願いします。パニックを起こさないように、はじめは静かな環境で見守ってあげてください。
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