猫が吐く原因のひとつ、毛玉。毛球症の防止、毛玉吐きを減らす4つの方法

2015.07.10
猫が吐く 毛玉

猫の毛玉は胃や消化管で大きくなってしまうと開腹手術で取り出さなければなりません。また、頻繁に毛玉を吐かれると掃除が面倒
では、猫のお腹に毛玉ができないようにして毛玉吐きを減らす方法は?

毛づくろいで飲み込んだ毛が毛玉になります

みなさんがご存知の通り、猫はグルーミング(毛づくろい)が大好き。毎日欠かさないのはもちろん、起きている時間の30~50%をグルーミングに費やしているとも言われています。

猫はあのザラザラの舌で体を舐め、櫛の要領で毛をすきとって飲み込んでいます。うんちと一緒に排泄されていれば問題ありませんが、飲み込んだ毛が溜まって胃や消化管で塊になることがあります。

これが毛玉です。猫はこの毛玉を時々吐き出します。

猫が吐く 毛玉
猫が吐いた毛玉

毛玉といっても、写真↑のようにうんちのような塊もあれば、胃液や消化物に毛が混じっている程度のものもあります。長毛種は毛の量も長さもあるので毛玉吐きが多く、毛球症の危険も高くなります。子猫は抜ける毛自体が少ないのでほとんど吐きません。

参考:猫のゲロやおしっこ掃除に。水洗いクリーナーに注目!

毛玉を甘く見ると最悪の事態に…

初めて猫を飼った人は、元気だった猫が急に「オエッオエッオエッ」とえづき、苦しそうに「ゲポーッ」と吐くようすにビックリしたかもしれません。毛の混じった嘔吐物を見て「これが猫の毛玉吐きか」と安心した人も多いのでは?

しかし、頻繁に吐くのは猫の胃や食道への負担が大きく、毛玉が胃・消化管で詰まる恐れがあるので注意が必要です。

症状はまず、食欲低下や吐き気、便秘として現れます。これが毛球症です。放っておくと、ますます毛玉が大きくなり、排泄も食事もできなくなり命に危険が及びます。胃や消化器に詰まった毛玉は開腹手術で取り除かなければなりません。

また、ある程度大きな毛玉を吐き出そうとした猫が、窒息しそうになったという例もあるようです。

猫が吐く毛玉 長毛種
長毛種は特に注意

毛球症の防止、毛玉吐きを減らす4つの方法

では、猫の毛玉が胃や消化管に溜まらず毛球症を防ぐには、どうしたらよいでしょうか?

以下4つの方法を普段から気を付けてみましょう。

1.ブラッシングで余計な毛を取り除く

一番有効なのが、飼い主さんがこまめに猫をブラッシングしてあげ、猫が飲み込む毛の量を減らしてあげる方法です。換毛期は特に抜け毛が増えるのでブラッシングの回数も増やしてください。また、長毛種はさらに念入りなブラッシングが必要です。

猫が吐く毛玉 ブラッシング

2.毛玉ケアのフードを与える

市販の「毛玉ケア」「ヘアボールコントロール」のフードを与えます。食物繊維が多く含まれているので、便と一緒に毛の排せつを促します。

3.毛玉除去ジェルなどを使う

便と毛の排出を促してくれるワセリンや流動パラフィンが含まれた毛玉除去ジェルを与えます。猫が好きな味が付いているものや無味無臭のものがあります。食事に混ぜたり、そのままおやつとして与えてください。


4.猫草を食べさせる

毛玉吐きを減らすのではなく、こまめに吐かせて毛球症を防ぎます。イネ科の植物は葉先が尖っているため、猫の胃を刺激して嘔吐を促します。また、食物繊維なので便と一緒に毛を排せつする作用も。非常に好む猫とまったく興味がない猫がいるため、猫の嗜好品ではないか、とも言われています。肉食の猫が葉酸などのビタミンを摂取するために食べる、という説もあります。

SHARE