猫の避妊・去勢手術 ~手術のメリットと適切な時期~

殺処分という悲しい現実をなくすために
メス猫には年に数回発情期があり、交尾をすればかなり高い確率で妊娠してしまいます。
しかし子猫が産まれることは必ずしも良いことではありません。なぜなら、「日本では年間12万匹もの犬猫が殺処分されている」※という悲しい現実があるからです。猫の繁殖を減らして殺処分をゼロにすることは重要な課題といえるでしょう。
※環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」(平成25年度)
猫の去勢・避妊手術のメリットとデメリット
避妊・去勢手術のメリットとして挙げられることはたくさんあります。
まずはオス・メスともに、生殖器系の病気が発生するリスクを軽減することが挙げられます。
次に、ホルモンバランスの変化によって起こる情緒不安定や食欲低下、下痢、嘔吐などの発情期の体の負担を軽減し、スプレー行為、発情してうるさく鳴くなどの問題行動が少なくなります。性格が穏やかになるので猫が飼いやすくなると言われています。
反対にデメリットとして挙げられるのは、体のホルモンバランスが変化するため、猫の活発性が減少して肥満になりやすい点。しかし、猫の肥満は飼い主さんの努力次第で予防できます。去勢・避妊手術は、総合的にメリットの多い手術であると言えるでしょう。
猫に去勢・避妊手術を受けさせる時期
去勢・避妊手術を受けさせる最適な時期は、生後5か月~1歳になるまでの間です。5か月前では手術にまだ耐えられない可能性があり、発情期を迎えた1歳以降では、スプレー行動(オス猫の臭いづけ行為)などの困った行為が手術後も残ってしまう可能性があります。
5か月~1歳であれば、今後起こりうる生殖器系の病気発生率がもっとも低いため、より効果的と言われています。
7歳以上の猫は体力的に手術のリスクが高くなりますが、生殖器の病気になる可能性も高いため、手術には検討が必要です。
去勢・避妊手術をしても、ノラ猫との接触は厳禁です
注意点は、たとえ猫が避妊・去勢手術をしたからといって、外へ出していいわけではないこと。なぜならノラ猫の多くは、ケンカや繁殖行動により感染症や伝染病を持っているからです。飼い猫が去勢・避妊手術をした後も、「完全室内飼い」を守ってください。
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