猫のコアワクチン、ノンコアワクチンとは?

2023.04.20
猫 コアワクチン

野良猫の平均寿命は3~5歳。それに対して家猫の平均寿命は約15歳です。この大きな差は、環境の違いと感染症にかかるかかからないか…ワクチン接種の有無が大きく関係しています。

猫のコアワクチンとノンコアワクチンについてまとめてみました。

参考:「WITH PETS 282号ワクチンについて知る」日本愛玩動物協会

猫のコアワクチンとは?

猫のコアワクチンは以下3種。いずれも感染力が強く空気感染するリスクが高いため、すべての猫への接種を推奨しています。

コアワクチンの種類予防できる感染症について
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症・FPLV)元気と食欲低下、発熱から嘔吐や下痢。生後すぐの感染で致死率は75~90%。離乳期過ぎの感染は約50%、1歳以上の猫は10%程度。ウイルスは人に付着し屋内に。完全室内飼いでも油断禁物
猫カリシウイルス(FCV・3種の株)猫風邪のひとつ。風邪症状、口内炎や口の粘膜潰瘍、よだれ、食欲低下。免疫力が低下した猫や仔猫が感染しやすく健康な猫は無症状もある。回復後も長期間ウイルスを排出し長く感染力を持続
猫ヘルペスウイルス1型(猫ウイルス性鼻気管炎・FVR)鼻水、くしゃみ、発熱などの風邪症状で猫風邪のひとつ。涙目や目やに、重症化で肺炎。子猫や老猫は死亡することも。回復後もウイルス排出の可能性
猫のコアワクチン

猫のコアワクチンのもっとも安全で効果的な接種は以下とされています。

世界小動物獣医師会のワクチネーションガイドラインより。

  • 仔猫は1回目を生後6~8週に、2回目以降は2~4週間間隔で数度、最後は16週以降に接種(仔犬と同じ)
  • 猫パルボウイルスのワクチンは3年未満の頻度では接種しない
  • 猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルスのワクチンは感染リスクが低い場合は3年ごと、高い場合は毎年接種

猫のノンコアワクチンとは?

猫のノンコアワクチンは以下3種。接種はほかの猫との接触と地域での流行を考え、獣医師と相談して決めてください。

ノンコアワクチンの種類予防できる感染症について
猫白血病ウイルス(FeLV)白血病の原因で腎臓病などの原因にも。発熱、食欲不振、貧血。生後すぐの感染で治癒率ほぼ0%、離乳期過ぎは50%、1歳以上で約90%。陽性でも定期的な健康診断で完全室内飼育すれば元気。未感染の猫と隔離する
猫免疫不全ウイルス(猫エイズ/FIV)いわゆる猫エイズ。リンパ腺の腫れ、軽い下痢、細菌感染から進行すると口内炎、口臭、よだれ、口腔内腫瘍で食事困難に。傷の化膿、眼鼻の分泌液、痩せて下痢や熱が続き抵抗力低下で他の病気に。感染して発症しない場合も。抗生物質で治療可。ケンカ傷から感染
猫クラミジアウイルス結膜炎、目やに、涙目、くしゃみなどの風邪症状。進行すると元気と食欲が減退。免疫力低下で肺炎。生後間もない仔猫は重度結膜炎で眼球癒着も。猫風邪のひとつ。人獣共通感染症
猫のノンコアワクチン

猫のノンコアワクチンのもっとも安全で効果的な接種は以下とされています。

世界小動物獣医師会のワクチネーションガイドラインより

  • 猫白血病ウイルスワクチンは、1年後に再接種したあとは2~3年ごとに接種
  • 猫免疫不全ウイルスワクチンは、1年後に再接種したあとはリスクがあれば毎年接種
  • 猫クラミジアワクチンは、リスクがあれば毎年接種

混合ワクチンは3~5種

猫のワクチンは単独ワクチンと混合ワクチンがあります。

混合ワクチンは3~5種があります。猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)には単独ワクチンしかありません。

  • 3種:コア(パルボ、カリシ、ヘルペス)
  • 4種:コア+猫白血病
  • 5種:コア+猫白血病+クラミジア
  • 単独:猫免疫不全(猫エイズ)

販売メーカー(ゾエティス・ジャパン)が製造中止を発表。2024年夏季に完全な販売終了となる見込み。

1匹の猫を完全室内飼いでペットホテルにも預けなければ、コアワクチンのみの接種で問題ありません。しかし、猫を外に出していたり、多頭飼育や今後猫を迎える予定があったり、ペットホテルを利用する場合は、ノンコアワクチンを含む4~7種混合ワクチンの接種を。接種タイミングとともに獣医師と相談しましょう。

猫 コアワクチン
外に出る猫には4種か5種を

FIP(猫伝染性腹膜炎)にはワクチンがない

最後に、ワクチンがなく致死率の高い猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)について。

FIPは猫コロナウイルスの変異により引き起こされるといわれ、3歳までの猫に発症率が高い感染症です。治療は、免疫抑制剤・抗生剤・利尿剤・猫インターフェロンオメガ・輸液などで対処しますが、ある程度の延命に留まります。致死率はほぼ100%で発症すると数週間~数か月、長くて1年で死に至ります。

ワクチンはアメリカで開発されたものがあります。しかし、接種により重症化を引き起こすことが分かり、日本では認可されていません。

猫 輸液
FIPの治療で行われる輸液療法

FIPを発症した猫の治療費はとても高額になります。そのためSNSやブログなどでは、FIPの猫の治療費に困ってカンパを呼び掛ける飼い主さんや保護主さんが見受けられます。なかには怪しい人もいるので、しっかり確認して判断してください。

FIPのワクチン・治療法・薬が早く開発されるといいですよね。研究者のみなさん、よろしくお願いします。

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