顔はバセット・ハウンド、性格は日本犬!"サツマビーグル"ってどんな犬?

サツマビーグル

(出典:狩猟犬「サツマビーグル」の郷)

ビーグルといえば、たれ耳が特徴の黒・茶・白が混ざった毛色の中型犬。あの人気キャラクター「スヌーピー」の犬種としてもおなじみですよね。先日、ネットでビーグルについて調べていたら、"サツマビーグル"という犬の存在を知りました。みなさんはご存知でしたか?

洋犬の外見+日本犬の気質のサツマビーグル

私が初めてサツマビーグルを知ることになったのは、サツマビーグルの保存・普及に取り組んでいる、四国プリンス犬舎さんのウェブサイト『狩猟犬「サツマビーグル」の郷』※。管理人の久米さんより、掲載のご許可をいただきましたのでご紹介させていだきます。

※現在はブログ「狩猟犬サツマビーグルのつぶやき」に移管されています。

サツマビーグル

↑ビーグルより少々耳が長くバセット・ハウンドより脚がスラッと長いサツマビーグル。

▼こちらはバセット・ハウンド。顔が似ています。

バセット・ハウンド

▼ビーグルの顔はこんな感じです。

ビーグル

サツマビーグルの由来

久米さんのご挨拶文にある由来を読んで、「なるほど」と思いました。

サツマビーグルは、明治後半に当時の政府要人が洋行の折りに持ち帰ったハウンド(ハーリア、英系ビーグル、バセット・ハウンド等と考えられている)と薩摩地犬との交雑等により、その後100年と言う長い歳月をかけ薩摩と言う辺境の地で固定(品種改良)された日本固有の獣猟犬であります。※狩猟犬「サツマビーグルの郷」より

久米さんによると、長く垂れ下がった耳はビーグルではなくバセット・ハウンドのもの。スラッとした体つきは小型のアメリカ系ポインターを彷彿させるのだとか。
詳しくはサイト内のコンテンツでぜひご一読ください。

愛くるしい姿に日本犬の気質が魅力

サツマビーグルの愛くるしい姿と日本犬の気質に惚れこんだ久米さん。その魅力を以下のように記しています。

外見は外国産のハウンドと見た目は変わりませんが、その特性(気質・行動など)は一味も二味も違う頼り甲斐のあるサムライ(薩摩隼人)を彷彿させる素晴らしい犬種です(当に明治維新の侍が洋服をまとっている姿そのものです)。

門外不出の狩猟犬、絶滅も危惧

サツマビーグルは現在もまだ犬種登録に至っていません。その理由は、①長い間、鹿児島の各集落で門外不出の狩猟犬として飼育されていた ②アメリカン・ビーグルの人気で頭数が激減し犬種の固定・統一が遅れてしまった、の2つ。

"サツマビーグル"と記載されるようになったのも、久米さんが約10年前にサイトや狩猟雑誌に「サツマビーグルのルーツ」を発表してから。それ以前は、サツマ、九州ビーグル、鹿児島ビーグル、日本在来種ビーグルなどと呼ばれ、一部の愛好者のみが知る存在だったとか。

未だ100頭にも達していないことから絶滅も危惧されています。久米さんはまず100頭以上の確認をクリアできたら正式な保存会を設立。ブリーダーや愛好家の方々の意見を参考に犬種登録をしたいと考えています。

優秀な猟犬、サツマビーグル

長年、ビーグルとサツマビーグルを飼育・育成してきた久米さん。「サツマビーグルは非常に優れた狩猟犬である」と力説します。サイトには、追い鳴き、高鼻、地鼻など猟能(猟の能力)の解説や訓練中の動画が掲載。そのすばらしい能力を垣間見ることができます。

ペットとしてのかわいい犬の姿しか知らない私たちにとっては、まさに「目から鱗」!狩猟犬の能力に驚かされるばかりです。

温厚で従順、家庭犬にもふさわしい

現在は『狩猟犬「サツマビーグルの郷』の効果もあり、少しずつ飼育頭数が増えてきたそう。久米さんは、温厚で従順なサツマビーグルを家庭犬としてもおすすめしています。

サツマビーグル

サツマビーグルの子犬たち(出典:狩猟犬「サツマビーグル」の郷)

サツマビーグルを詳しく知りたい方はこちらをどうぞ!
■「狩猟犬サツマビーグルのつぶやき

 

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