猫が食べてはいけないもの、注意が必要な食べ物は?

2023.06.12
猫が食べてはいけないもの

私たち人間が普段食べるもののなかには、猫が食べていけないものがあります。どんなものがあるのでしょうか?

猫が食べてはいけないものは?

「人の食べ物を猫にあげてはいけない」と言われています。その理由は、猫が食べてしまうと危険なものが多々あるからです。猫は真性肉食動物、人間は雑食動物と食性が違うため、消化・解毒できる食物が違います。

では、環境省「飼い主のためのペットフードガイドライン」などを参考に、猫が食べてはいけない人間の食べ物を見ていきましょう。

タマネギ・長ネギ・ニンニク・ニラ

猫が食べてはいけないもの

タマネギや長ネギなどのネギ類、ニラ、ニンニクには「アリルプロピロジスルフィド」という犬猫の赤血球中のヘモグロビンを破壊する成分が含まれています。犬猫が大量に食べると、血尿・下痢・嘔吐・発熱を引き起こすおそれがあります。個体によっては少量でも貧血を起こします。

ハンバーグ・カレー・味噌汁・すき焼きの煮汁

猫が食べてはいけないもの

タマネギなどに含まれるアリルプロピロジスルフィドは加熱しても破壊できません。そのため、ハンバーグやカレーなどタマネギの入った加工食品、そのエキスが染み出た味噌汁やすき焼きの煮汁なども猫が食べてはいけません(長ネギ・ニラ・ニンニクも同様です)。

チョコレート・ココア・コーヒー

猫が食べてはいけないもの

カカオに含まれるテオブロミンという成分は、犬猫に嘔吐・下痢・発熱・けいれんを引き起こす原因となります。チョコレート・ココアは犬猫が間違って食べないよう厳重に保管しましょう。また、コーヒーにもテオブロミンは含まれます。飲み残しを放っておかないようお気を付けください。

ブドウ・干しブドウ

猫が食べてはいけないもの

ブドウは猫のみ注意すべき食べ物です。猫が食べてしまうと、食欲不振、嘔吐、下痢、尿が出ないなどの急性腎不全の症状が現れます。ブドウのどの成分がこれらの原因となっているかはまだ解明されていません。干しブドウを食べた猫からも腎不全の報告があるので注意が必要です。

生の魚介類・甲殻類(魚・イカ・タコ・エビ・カニ・貝)

生のイカや貝などの魚貝類、エビ・カニなどの甲殻類はビタミンB1を破壊する酵素を持っています。猫が食べると体内のビタミンB1が欠乏し、後ろ脚の麻痺を引き起こします。食べさせる場合は必ず加熱調理してからにしてください。

ほうれん草

猫が食べてはいけないもの

ほうれん草にはシュウ酸多く含まれています。シュウ酸と聞いて猫の飼い主さんは「シュウ酸カルシウム結石」にピンとくるかもしれません。シュウ酸カルシウム結石は、猫の尿中にシュウ酸が増えカルシウムが不足するとできる猫の下部尿路疾患のひとつ。ほうれん草のシュウ酸は加熱調理で減らせますが、「食べさせないこと」が一番のリスク回避といえます。

猫が注意すべき食べ物

次に猫が注意すべき食品を見てましょう。「猫が食べてはいけないもの」ほど危険ではありませんが、個体によっては1回食べただけで不調が出たり、食べすぎで不調が出ます。これらは避けたほうが無難です。

キシリトール入りのガムなど

キシリトールガム

虫歯予防の成分として知られるキシリトールは、犬が少量でも食べてしまうと、血糖値の低下、嘔吐、肝不全を引き起こします。猫も用心に越したことはありません。歯みがき効果を期待してキシリトール成分が入ったものを与えるのはNGです。ペットがいるお宅ではキシリトール入りのガムや歯みがき粉はペットにいたずらされない場所に保管しましょう。

レバー・生肉・鶏の骨

ビタミンAが多く含まれる豚や鶏のレバー。人やペットの滋養強壮にいい食品ではありますが、犬が過剰に摂取すると食欲不振や関節炎を引き起こすことがあります。猫にも同様に注意が必要です。

豚肉やジビエの生肉は、有害な寄生虫や細菌がいる可能性が高い食品です。必ず加熱調理してから食べさせてください。

鶏の骨は縦に割れやすい性質があり、犬猫が噛むと尖った形状になります。喉や消化管を傷つけてしまうため、与えないてください。

コーヒー・紅茶・緑茶

コーヒー・紅茶・緑茶にはカフェインが含まれています。私たち人間にとって身近でいい効果をもたらす飲み物ですが、犬猫などの動物にはカフェインへの耐性がありません。下痢・嘔吐・体温不調・多尿・尿失禁・てんかんを引き起こすことがあります。飲み残しを放っておかないようお気を付けください。

香辛料

香辛料もまた、犬猫などの動物には耐性が低く、肝臓障害を引き起こすことがあります。

生卵(白身)

生卵の白身にはタンパク質の「アビジン」が含まれています。アビジンは体内の「ビオチン」と結合して、吸収を阻害します。犬猫が生卵の白身を食べ続けると、ビオチンが欠乏して皮膚炎や成長不良、脱毛を引き起こすことがあります。加熱調理してある白身や全卵の生卵は食べさせても問題ありません。

にぼし・海苔

にぼしや海苔にはマグネシウムが多く含まれています。犬猫に過剰に与えると、尿路疾患を引き起こすことがあります。

SHARE